日本から提案する、おむつとファッションの未来

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明るいスタジオを背景に、黒と白のおむつを取り入れたファッションと銀色のブーツを着用したモデル

デニム風のショートパンツ、黒いフリルのデザイン、スパンコールをあしらった衣服。大阪・関西万博のランウェイには、大人用おむつや吸収パッドと組み合わせる衣服の未来を提案する作品が登場しました。身体に直接身につけるものに、もっと多くの選択肢があったら。その可能性を考えるコレクションです。

2025年6月24日に開催された「O-MU-TSU WORLD EXPO」には、おむつメーカー7社とインナーウェアメーカー1社が参加しました。ファッションショーとトークショーを組み合わせ、さまざまな背景を持つ31名のモデルが31種類のデザインを披露。おむつを使う人もファッションを楽しみ、自分らしく社会に参加できる未来を提案しました。主催者のイベントページ。

主催は日本福祉医療ファッション協会。本サイト「World Diaper Organization」を運営する八木大志(Hiroshi Yagi)も、当時、主催団体の副代表理事として企画・運営に携わりました。

ランウェイを動画で見る

O-MU-TSU WORLD EXPOの動画サムネイル。ランウェイの衣装とWORLD DIAPER EXPOの文字

日本福祉医療ファッション協会が公開した「O-MU-TSU WORLD EXPO」の動画。 YouTubeで見る ↗
ステージで手を振る運営メンバー4人。八木大志は左から2番目
ステージ上の運営メンバー。八木大志は左から2番目です。

ファッションを通じて、おむつの選択肢を考える

「O-MU-TSU」は日本語の「おむつ」を表します。ロック&モードをテーマに制作された衣服を、年齢、体形、国籍、身体状況などが異なるモデルが表現しました。着用する人の個性も、コレクションを形づくる大切な要素でした。

トークショーには、日本の著名なテレビタレントと宇宙飛行士が参加しました。異なる分野の視点が同じ舞台に集まり、おむつをテーマにしたトークが行われました。

主催者によると、1,900人規模の会場は事前予約で満席となり、52団体の後援を受け、100社以上のメディアに取り上げられました。多くの関係者との協働により、おむつのデザインを万博の舞台から社会に発信しました。

O-MU-TSU WORLD EXPO開催中のEXPOホール客席
EXPOホール内の客席。

大人用おむつに、どのようなデザインができるのか

O-MU-TSU WORLD EXPOのさまざまなデザインを着た8人のモデル
イベントのデザインを着た8人のモデル。

日常の衣服を思わせる、デニムとフリル

アテントを展開する大王製紙は、3種類のデザインを制作しました。背面のポケットや黄色のステッチを表現したデニム風、裾にフリルをあしらった黒色、えんじ色のデザインです。

デザインのスケッチを、おむつの形にする

花王は、イベントの総合プロデューサーと協働し、特別なデザインの3種類を手づくりで制作しました。同社は、試作を重ね、部署を越えてアイデアを出し合った過程を報告しています。吸収性製品を開発する知識と、デザイナーの外観への発想が交わった取り組みです。これらのイベント限定デザインは販売しないことも明記しています。花王の開催報告。

下着づくりの視点を加える

ワコールは、プリントとスパンコールを用いたホルダーパンツ、大学生と残材料・残レースを使って制作した作品を出展しました。ホルダーパンツは、尿とりパッドを保持する布製の衣服です。布製のパンツ自体が吸収パッドの役割を担うものではありません。衣服のデザインから排泄ケア製品を考える、別の可能性を示しました。ワコールによる出展作品の紹介。

参画企業は、花王、光洋、白十字、大王製紙、日本製紙クレシア、ユニ・チャーム、リブドゥコーポレーション、ワコールです。伝統工芸の企業も参加しました。主催者による参画企業の一覧。

着用する人が、自分の希望を伝えられること

このコレクションは、医療・介護職やメーカーが日々の仕事に持ち帰って考えられる問いを提示しています。製品の外観について、着用する本人が選べる機会はどのくらいあるでしょうか。

色、衣服の形、普段の服との組み合わせ、身につけたときの親しみやすさ。こうした好みも、実用上の条件とともに話し合えるテーマです。本人の希望を聞くことは、自分の身体と生活に関わる選択に、本人の声を反映することにつながります。

表現豊かなデザインを楽しみたい人も、衣服の下で目立たずに使えるシンプルな製品を好む人もいます。それぞれの希望に合う選択肢を用意し、着用する人が好みを伝えられることが大切です。

日本から、世界へ広げていきたい問い

展示された作品は、ランウェイに向けた実験的な提案です。リブドゥコーポレーションの参画発表も、特別に制作したデザインのコレクションと説明しています。写真にある作品が、そのまま購入できる商品とは限りません。日常使用へ発展させるには、着心地、扱いやすさ、製造、手に取りやすい価格などについて、さらに考える必要があります。

おむつ産業にとっては、異なる身体、生活、好みを持つ人々と、こうした問いを考える方向性を示しています。医療・介護職にとっては、本人が身につける製品に何を求めているかを聞くきっかけになります。

O-MU-TSU WORLD EXPOは、より多くの選択肢がある未来を日本から提案しました。おむつを、着用する人の生活、好み、自分らしさにどう合わせていけるか。世界でも共有していきたい問いです。

関連報道:NHK WORLD-JAPANの英語記事は、この取り組みを海外の読者に紹介しています。報道の公開日は2025年10月9日、イベントの開催日は2025年6月24日です。